介護保険で使えるサービス、最初は何が何だかわからなかった

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「介護保険って何に使えるんですか」とケアマネさんに聞いたとき、A4用紙1枚にびっしり書かれたサービス一覧表を渡された。デイサービス、訪問介護、ショートステイ、訪問看護、福祉用具……。正直、何が何だかまったく分からなかった。

あれから2年が経った。今では介護保険の仕組みをある程度理解して、母に合ったサービスを組み合わせて使えるようになった。この記事は、最初の混乱から少しずつ整理していったプロセスの記録だ。

うちの母の状況——要介護2で何が使えるか

母は77歳。2022年春に転倒して大腿骨を骨折し、手術・リハビリを経て要介護2の認定を受けた。右脚の筋力低下で歩行が不安定で、一人での外出は危険な状態だ。認知症の気配はまだないが、「もの忘れ」が増えてきている。

要介護2の支給限度額は月197,050円(2024年度)。これが介護保険で使える上限額で、1割負担の場合は実質19,705円の自己負担になる。これ以上使うと全額自費になる。

最初ケアマネさんから提案されたのは3つのサービスだった。デイサービス、訪問介護、福祉用具レンタル。これを組み合わせてケアプランを作ってもらった。

デイサービス——週3回通い始めて変わったこと

デイサービス(通所介護)は、施設に日帰りで通って食事・入浴・機能訓練を受けるサービスだ。送迎があるため、家族の負担も少ない。

母が利用しているのは自宅から車で10分ほどの通所介護施設「ほほえみの園」。定員40名ほどの中規模施設で、利用日は月・水・金の週3回、9時〜16時だ。

費用は1日あたり約800円(1割負担)。月3回×800円×12日で月約9,600円。これに食事代(1食460円)と入浴加算が加わって、月額自己負担は約13,000円だ。

通い始めてから母の表情が明らかに変わった。同年代の人と話す機会が増えて、「今日〇〇さんに会った」と帰宅後に話すようになった。家に閉じこもっていたときより明らかに活気がある。機能訓練で右脚の筋力も少しずつ戻ってきた。

ただ、最初の1ヶ月は「行きたくない」と言い張られて苦労した。本人が「自分は介護が必要な人間じゃない」という自負を持っていたからだ。「お友達に会いに行く場所」という説明の仕方が効いた。

訪問介護——ヘルパーさんとの付き合い方

訪問介護は、ホームヘルパーが自宅に来てくれるサービスだ。「身体介護」と「生活援助」の2種類がある。

身体介護は入浴介助、排泄介助、着替えの手伝いなど身体に直接触れるもの。生活援助は掃除、洗濯、調理など家事全般だ。利用単価が違い、生活援助の方が安い。

母は週2回(火・木)の生活援助を利用している。主な内容は掃除と洗濯物の片付け。1回あたり45分で自己負担約220円。月8回で1,760円ほどだ。

ヘルパーさんとの関係で最初に戸惑ったのが「何をお願いしていいか分からない」という点だった。何でもやってもらえると思っていたが、介護保険の訪問介護には「できないこと」がある。

  • 本人以外のための家事(同居家族の洗濯・料理など)
  • 草むしりや庭掃除
  • ペットの世話
  • 大掃除・窓ふきなど日常的でない作業

これらは介護保険の適用外で、やってもらいたい場合は自費サービスになる。「せっかく来てもらったんだから」と色々頼もうとすると断られることがある。最初にケアマネさんからルールを説明してもらっておいた方がいい。

ショートステイ——使ってみて初めて分かった価値

ショートステイ(短期入所生活介護)は、介護施設に数日間泊まれるサービスだ。介護者の休息(レスパイト)が主な目的とも言われる。

最初は「泊まりに行かせるなんてかわいそう」と思って利用をためらっていた。転機は母を夜間に一人で置いておくことへの不安が限界になったことだ。夜中にトイレに起きて転倒するリスクが高くなっていた。

試しに2泊3日でショートステイを利用してみた。費用は1泊あたり約900円(1割負担)の介護サービス費に加えて、食費1,445円、居住費855円が加算され、3日間で約10,000円だった。

結果は予想外に好評だった。母は「温泉みたいでよかった」と帰ってきた。施設のスタッフが優しくしてくれたらしく、次回も行きたいと言っている。今は月に1回、4〜5日のペースで利用している。

ショートステイには空きが少ない問題がある。人気の施設は1〜2ヶ月先まで埋まっていることも。ケアマネさんに「定期的に使いたい」と相談して、あらかじめ押さえてもらうと安心だ。

自己負担はいくらか——高額介護サービス費という制度

介護保険のサービスは原則1割負担(所得が高い人は2割・3割)。だが月の自己負担が一定額を超えると、超えた分が後で戻ってくる「高額介護サービス費」という制度がある。

母の場合(市区町村民税課税の一般世帯)、自己負担の上限は月57,600円だ。この金額を超えた部分は申請すれば払い戻される。初回は市区町村から通知が来るので、その通知に従って申請する。一度申請すれば以後は自動的に振り込まれる。

うちは今のところ上限を超えることはないが、施設に入所すると金額が跳ね上がるため、この制度を知っておくことは大事だ。

サービスを組み合わせるコツ——ケアプランの見直し

最初に作ったケアプランを半年後に見直した。デイサービス週3回・訪問介護週2回という組み合わせは変えていないが、追加したのが福祉用具レンタルだ。

介護保険で借りられる福祉用具は多い。母が使っているのは以下の3点。

  • 手すり(廊下・トイレ・浴室):月400円
  • 歩行補助杖(4点杖):月100円
  • シャワーチェア:月200円

これらを合計しても月700円。自費で購入するより格段に安い。状態が変われば交換もできる。

ケアプランは3〜6ヶ月ごとに見直す「モニタリング」がある。そのタイミングで「これは使いやすかった」「これは合わなかった」を正直にケアマネさんに伝えると、次のプランに反映してくれる。

制度を知ることが介護の質を上げる

介護保険は複雑に見えて、使えるサービスを正しく組み合わせれば在宅での生活をかなり長く維持できる制度だ。ただし、サービスは自動的に提供されない。本人と家族の状況をケアマネさんに正確に伝えて、プランに組み込んでもらう必要がある。

「こういうことで困っている」という訴えを遠慮せず伝えること。それが最初の1歩だと、2年たった今でも思う。

※本記事は個人の体験に基づく情報提供であり、医療的助言ではありません。健康上の懸念がある場合は、医師にご相談ください。

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